2022年7月17日日曜日

CHUWI HeroBoxのレビュー

HeroBox

 CHUWIから出ているファンレスの小型PCです。2万程度でめちゃくちゃ遊べます。
 主なスペックはこんな感じ。
 
・CPU Celeron J4125 (4C4T)
・Memory DDR4 8GB @2400MHz (Onboard/交換増設不可)
・Storage M.2 SATA SSD 256GB (eMMCじゃない!)
・Wi-Fi(802.11a/ac/b/g/n) + Bluetooth4.0
・Gigabit Ethernet 対応
・HDMI2.0 4K@60Hz (ただしType-Cは映像出力非対応)
・VESA簡易ブラケットつき
・技適マークあり
  
 困ったことに同じHeroBoxでもスペック(特にCPU)がコロコロ変わります。私が買ったのはJ4125のもので、現時点(2022/7/15)では最新版のものです。 前モデルではN4100でした。
 また、公式HPの情報は古いのか間違ってるのか、実際とはちぐはぐです。CPUはN4100ですし、SSDはIntelじゃないし180GBでもないし、筐体はプラスチック製だし。
ちなみにCHUWIはツーウェイと読みます。
 

CPU性能

 前モデル、Celeron N4100比で、J4125はシングル10%、マルチ20%程度の性能向上なので、同世代とはいえ格段に良くなったといえます。でも目くそ鼻くそ、と思いきや…
 Celeronのモバイル版ということでAtomに毛の生えたクソ性能を彷彿とさせますが、ベンチ比較サイトを見ていると案外健闘していてびっくりしました。Cinebench R20でシングル190、マルチ670程度で、マルチ性能ならCore i7 第5-6世代のモバイル版(2C4T)くらいの性能があります。まあ安いなりにシングルはi7に惨敗しますが、Core i3 第5世代(2C4T)超えくらいはあります。つまり、Core i3 第5世代には全面的に勝る程度の性能です。マルチが強いのはひとえにJ4125は4C4Tだからですが。
 ということで、イマドキのCPUにはそれこそ桁違いでベンチは負けますが、Windows10が出た時分(2015年)のモバイル用ミドル~ハイエンドCPU程度には頑張ってくれます。
 

用途

 このPCをメイン機で使うのは無理がありますが、ファンレス常時稼働を念頭にラズパイの数ランク上の処理をさせたい程度なら丁度いいです。私はリモートデスクトップ+家庭内サーバー目的で購入しました。Windowsが普通に走るのでLinuxに慣れていなくてもサーバー的なものを簡単に作って遊べます。
 

分解

 筐体はプラスチック製です。 アルミ製じゃなくてプラスチック製です!!なんか公式にアルミ製とか書いてますが。
 裏蓋には外周に2本、内周に6本のネジがあります。ただし内周の1本が保証シール的なので隠されています。必然的に分解にはシール剥がしが必須ですが、保証がどうなるのかは知りません。
 内周6本を外すと2.5インチSATAスペースにアクセスできます。このスペースの四隅に4本のネジがあるので、外周2本と合わせて除去するとマザーボードです。ただしパーツの実装は本体の表向きなのでマザーボードの裏側には何もありません。マザーボードは4本のネジで固定されていますが、細いタッピングビスなので速攻でネジ穴がバカになります。取り外し、取り付けはやさしく。
 
 
・ヒートシンクはアルミ製です。ヒートシンクはそんなに体積も表面積も大きくないので100%で長時間走らせると排熱が追いつかなくなると思います。

・SSD(M.2/SATA)はNetac製でした。ロットによって変わりうるでしょうが、おみくじ的にはハズレかな…。大きさは2280です。

・WiFi+BluetoothはQualcommのQCA9377でした。ac対応なのでいわゆるWi-Fi 5までで、BluetoothはLMP9なので5.0でした。謳われているより新しい規格のものが載っていてラッキー。これも明記されていないのでロットで変わると思います。

OSはクリーンなのか

 プリインストールはWindows10 Homeです。私のロットでは21H1でした。認証は問題なく通ります。初回起動時に、普通のWindows10インストール時と同じく言語を聞かれますが、日本語を選んでもキーボード配列がデフォで英語になっていたり、ちょくちょくUI内にも英語表記が混ざっていたりと残念な感じです。タイムゾーンは中国になっていました。
 パッと見ではCドライブ直下に明らかに怪しげなフォルダ類はありませんでした。インストールされているソフトウェアも変なものはありません。しかしUsersに自分では作っていないユーザーフォルダがありました。どのみちクリーンインストールするつもりだったので詳しくは調査しませんでしたが。
 

クリーンインストール

 リカバリー領域含めて全削除して入れ直しました。SSDはNetacだし速攻替えてやろうかと思いましたが、大事なデータとか入れるつもりはないしどうせ壊れてもいいやってことで壊れるまで使うことにします(笑)
 Windows11には対応しています! …が、今回は安定性重視というかドライバがあるのかわからなかったのでWindows10をクリーンインストールしました。
 
 さて、そのドライバの対応状況ですが、Windows10でクリーンインストールした限り、Windows Updateだけでとりあえず全てのドライバは当たっているようです。デバイスマネージャで認識されていないデバイスはありませんでした。
 クリーンインストールでもネットに繋げると勝手にHomeで認証が通るので、手持ちのWindows8.1 Proのプロダクトキーをアップグレード適用してWindow10 Home → Proにしました。

使用感

レスポンス

 まずは本体にFHDディスプレイとマウス・キーボードを刺して使ってみます。
 クリーンインストール直後なので裏でWindows Updateが元気に走っていますが、このCPUはそれに耐えられないほどではなく、50~100%あたりにいる印象でした。ゆえに他の作業が一切できなくなるほどではなく、意外にも大量のアップデートもサクサクインストールが進んだため、トータルとしては大したストレスも感じませんでした。
 ブラウジング@Firefoxは若干レスポンスが遅れるものの個人的には気にならないレベルです。 こいつで日常的にブラウジングする予定はありませんが。
 オーディオ(3.5mm)はゴミです。ホワイトノイズは想定内ですが、音の出る・止まるタイミングでなんかポップノイズが出ます。オーディオドライバがイケてない可能性もありますが、音楽を聴く予定ならUSB-DACは必須でしょう。
 

ネットワーク

 EthernetはLAN内の実測で750Mbpsだったので、ギガビット対応は本当でした。
 Wake on LANは問題なく使えます。スリープに限らず、シャットダウン状態からも復帰できます。 

リモートデスクトップ

 Windows Pro以上で標準のリモートデスクトップは出来がよく、たとえ10年以上前のCeleron Dual-Coreでも普通にホストに使える代物です。ゆえに今回のCeleron J4125でももちろん余裕で動き、リモート接続+タスクマネージャ起動でもCPU使用率は1~2%と、なんの問題もありませんでした。クロックも0.9~1.0GHzと落ち着いています。

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